女性は男性よりも細かい顔の表情を読み取るのが上手い。
女の子は色とりどりのお花を描き、女性はきらめくダイヤに心をときめかす。
男の子は色彩よりも動くものに興味を持ち、お絵かきも乗り物を描き、動体視力に長けている。
これらは経験的に良く知られたことではありますが、科学的にも近年明らかになってきていることは意外と知られていません。
私たちの眼にはフィルムの役割をする網膜があり、10層に分かれ視覚情報を電気信号に変換して視神経から脳に伝えていきます。
網膜に存在する光受容細胞である視細胞には桿体細胞と錐体細胞があり
桿体細胞は網膜の全体に分布し光を感じ、錐体細胞は主に黄斑部に分布して色を感じます。
ここで得た神経シグナルは次の層である神経節細胞に運ばれ桿体細胞からはM細胞という比較的大型の細胞へ、錐体細胞からは小さいP細胞へ伝達されその情報が更に送られていきます。
そして、別経路でそれぞれの脳の司る部位へ送られていきます。
網膜の視細胞は、女の子では錐体細胞の割合が多く、男の子は桿体細胞の割合が多いと言われています。
つまり女の子は色を鑑別する能力に長け、男の子は色よりも視界の中の動くものに反応しやすくできているのです。
また、人間の網膜には性ホルモンのレセプターが豊富に存在することも分かってきました。
このように見え方には男女差が存在するのです。
男女差は眼だけの話ではなく、聞こえ方、考え方、感じ方、すべてにおいて存在しその原因は構造的に違うんだということを知っていてください。
自分の見え方、聞こえ方、感じ方が全てではないのです。
今後、科学的に明らかになり、納得できたなら、コミュニケーション上の色々な取り越し苦労が少なくなるのではないかと私は思います。
自分の見え方、感じ方が全てだと思うと、同時にこうであるべきだと錯覚してしまいます。
脳というのは実はとても性的な器官で男女差と同時に個人差もある。そういった事がいろいろ解明され、今後人々の相互理解に科学的にアプローチできるようになるかも知れません。