今年も早いもので残り2か月を切りました。皆さまいかがお過ごしですか?
さて、先日小学校で目の講演会を行ってきました。
毎日当たり前に見えている目。その仕組みを自分の目を使って体験したり感じてもらいたいと思いました。
メインの話は、子供たちは先生や親たちからいつも「姿勢を良くしなさい」 「ゲームは時間を決めなさい」とくどくど言われてるのですが、実際なぜ、姿勢をよくしないといけないのか。
ゲームのやりすぎるとなぜいけないのか。時間はどの位に決めるべきか。
意外とそういう話を聞く機会はないのではないかと思い、そんなことを子供たちにお話してきました。
ついつい楽な姿勢と思って足を組んだり、背中を丸めて頬杖を付いたり、前かがみでパソコンに向かったりしていませんか?
姿勢を悪くしていると肺が圧迫されますから、徐々に呼吸が浅くなり脳に十分な酸素が取り込まれなくなり頭がぼーっとしてしまいます。
高い集中力を発揮するためには十分な脳血流が必要です。
子供たちにには実際に姿勢が悪いときと良いときで呼吸がどう違うか体験してもらって
姿勢をよくしていると体に酸素がたくさん取り込まれて、脳血流が増して集中力が出て頭も良くなるし体の動きも良くなって、みんなの財産になるからクラスみんなで姿勢に取り組みましょうと話しました。
これを読んでくださるのは大人の方ですので、その方に向けての補足をすると
セロトニンという脳内物質をご存じでしょうか。精神を安定させたり血管収縮や腸管蠕動運動など末梢で多様な調節因子として働いています。
実は脳内にあるセロトニンは全体のわずか約5%で実は末梢にほとんど存在するのです。
90%以上は消化管粘膜に存在しています。
そしてこのセロトニンは腹直筋、腸腰筋、など抗重力筋と連動しています。
つまり、姿勢をよくしているとセロトニンが分泌されやすくなり、規則正しい生活を送れたり、そしてストレスに強い体になります。
腰が曲がって顎が突き出していては見た目もイケていませんよね。
ですから姿勢が悪いとセロトニン分泌も悪くなり老けていくというわけです。
そして脳内セロトニンは夜になるとメラトニンに変わります。
このメラトニンは夜になると深い眠りにつかせるようにしてくれます。メラトニンは体の錆つきを抑える抗酸化物質として作用してくれます。
ですから、姿勢をよくすることはアンチエイジング そのものなんです。
高いサプリメントやわざわざどこかに出向く必要もありません。
次は子供たちにゲームは一時間以内にしましょうとお話した根拠になります。
昔、流行した大人のDSを監修された東北大学の川島隆太宣先生が昨年末に報告されたものです。
詳しくはこちらをご覧ください。
仙台の2万4千人の子供たちの勉強時間とSNSの時間を標準的な数学の点数で表した結果です。
上のグラフの水色の折れ線グラフにご注目ください。
水色のグラフは学校から帰って勉強時間30分以内のつまり、帰ってからほとんど勉強しない子供たちの数学の点数になります。
携帯を持っていない子は点数が61点でしたが、3時間以上する子はぐっと点数が下がり50点以下になっています。
この結果は衝撃的な内容でした。なぜなら、今まで点数が下がるのは携帯を見ていて勉強時間や睡眠時間が少なくなってしまうからと思われていたのですが、
長時間携帯を見ていると学校で習ったことが抜けてしまう
ということが解ったからなんです。
子供たちにも、学校で一生懸命勉強してきてもお家で携帯を長くみてしまうと
頭が悪くなるからね。
はっきり言ってきました。
黄緑の折れ線グラフの勉強を2~3時間と長く勉強をする子供たちも同じく携帯の時間が長いと点数が上がりません。
この様に学力と携帯の時間は他の睡眠時間や勉強時間よりも強く学力に関係するのです。
私が思うのは、ゲームはとても面白く作ってあります。そして、ネット、SNSも楽しく刺激的なわけです。
そうした強い情報にさらされてしまうとその後じっくり読書をするとか心静かに考えることができにくくなるのだと思います。
今後もこうした科学的根拠をもとにした因果関係が明らかになり、子供の携帯やゲームの付き合い方を学校や社会全体でもっともっと考えていかなくてはならないと思いました。
その他、目のクイズや利き目やマリオット盲点の体験、目の見える仕組み、近視や遠視についてを話しました。
私自身も高学年の子供たちより、低学年の子供たちへの話し方が難しかったです。
反省も踏まえて今後もよりよい内容にしていきたいと思いました。