OCT(光干渉断層計)を導入致しました。

この検査機器は網膜(カメラに例えるとフィルムにあたるところ)の断層画像を撮影する機器です。

今までは主に網膜の正面からの所見でその病状を診ていましたが、こちらの機械では断層像から網膜の変化をとらえることができるのです。

眼科のCTとも言われ、大学病院ではOCT渋滞(検査待ち)なるものがあるそうです。

それだけ有用な検査といえます。

このOCTが威力を発揮する疾患

① 黄斑部疾患

加齢性黄斑変性症

糖尿病性網膜症や網膜中心静脈分枝閉塞などによる黄斑部浮腫

黄斑上膜

原因不明の視力低下など視力に直接かかわる黄斑部を断層像で診ることができるので、網膜疾患によるものなのかどうか更に詳しく診断することが可能です。

診断や治療方針の決定だけでなく治療効果が出ているのか経過観察に大変役立っています。


②緑内障解析


緑内障の本体は緑内障性視神経症でありその神経節細胞死をきたす病態を指しますが、OCTを使うとアジア人のデーターベースと比較して神経層の厚みがどのくらい薄くなっているのか実際の数値で何%とわかりやすくお見せすることが可能です。

視神経乳頭は前は眼圧(硝子体圧)、後ろは脳脊髄圧で抑えられた環境で神経線維が集まった場所です。
緑内障は視神経の眼球内部への入り口である篩状板が眼圧によって変形していきますが、日本人は眼圧が高くない場合が多いのです。

眼圧が高くないのになぜ緑内障を引き起こすのかはまだ明らかになっていませんが、脳脊髄圧が低いためだとか、高度近視では眼軸伸展により強膜が脆弱になり結果篩状板が弱くなる、体質的に元々篩状板が弱いなど言われています。

篩状板が弱いとBDMF(脳血管由来栄養因子)が滞り神経節細胞のアポトーシスが起こり網膜の神経細胞層が薄くなっていきます。

OCTでは、この篩状板の形状をを断面で確認できたり網膜の厚みを測定していきます。

これによって、今まで視野と眼圧、視神経の形状で緑内障を診断していましたが、OCTが加わり、視神経の痩せは有っても視野に異常が無いようなグレーゾーンの方いわゆるPPG(preperimetric glaucoma)にもより緑内障があるのかないのか、診断がクリアーにアドバイスできるようになりました。

検査は顎と額を固定して機器をのぞいて頂ければ数秒で終わりますし、費用は負担が1割の方でしたら200円程度です。


では、実際のOCTの画像を診ていきましょう。DSC_0362 (2)















































こちらがNIDEK社の最新OCT RS3000です。

NAVIS_PIC-007
















上は正常の緑内障検査の視神経乳頭マップです。


両側の白黒のお写真で左右の視神経乳頭の形状を確認、そしてそれぞれNFL(Nerve fiber layer)神経線維層の厚さを実測値のカラーマップで示しています。

真ん中の二相性のグラフは視神経をぐるっと一周スキャンしたもので、視神経の厚みは上下に厚いためこのような形になります。

緑の中に入っていれば正常範囲、黄色は5%未満1%以上、赤は正常の1%未満となります。


神経の厚みがデーターベースと比較してどうなのかが一目瞭然ですね。




有香黄斑マップ
















こちらは同じ人の黄斑部マップ

先ほど緑内障の本態は神経節細胞死と言いましたが、OCTでとらえることの出来る神経節細胞層複合体をGCC(Ganglion cell complex )と言い、こちらのGCC厚を網膜の黄斑部でセクターごとに見たものがこちらになります。

実際の数値が出てきます。

こちらが緑内障の症例になりますと

緑内障黄斑マップ
















このようになります。

赤くなっている部分が緑内障により神経が薄くなってるところです。

今や緑内障は40歳以上の17人に1人とも言われています。

緑内障が心配な方にお勧めしたいと思います。お気軽にご相談ください。

次に網膜黄斑部のOCT画像になります。

NAVIS_PIC-004
















こちらは糖尿病性網膜症の画像です。

網膜に浮腫や沈着物が認められます。

黄斑部の代表的な疾患である加齢性黄斑変性症では、網膜下の脈絡膜から新生血管が出てきて網膜下に出血やむくみを来します。

DSC_2109















経過を診ている患者さんのデータは時間を追ってこのように管理されていきます。

DSC_2110















そして、こちらをクリックすると

DSC_2112















断層像による変化を分かりやすく診ることができます。

診断にも、そして治療効果の判定にもこのOCTは大変役立つ情報をもたらしてくれます。

このように眼科診療も平面から断面に移行しました。

もちろん、器械の精度がまして診断がスムーズにいくことは重要ですが、やはり日々の診療で自分の目で丁寧にしっかり見ていくことを忘れてはいけませんよね。


このOCTを上手く活用して早期発見、早期治療によって少しでも皆様の視力温存に役立てたいです。

今日も最後までお読みくださりありがとうございました。