皆さんが子供のころ、クラスに眼鏡をかけた子は何人ぐらいいましたか?

もちろん、近視に限った話ではありませんが、私が小学生だった昭和50年代眼鏡をかけていた子どもはクラスにせいぜい人ほど2~3人だったように思います。

実際学校保健の統計を見ても昭和54年視力1.0未満の小学生は17.91%という比率でした。

それがH23年東京都学校保健統計によりますと小学生の割合は29.1%と右肩上がりに増えています。

そしてこれが高校生になると裸眼視力1.0未満は男子の70%女子の77.2%と驚きの数字になります。

もちろんすべてではありませんが多くは近視と予想できます。

普段診療をしていても、ご年配の方は近視が少ないのに、若い人の近視の多いこと。

これは、眼科医なら誰しも実感することだと思います。

近視になるとなぜいけないのか。

それは単に眼鏡やコンタクトが煩わしい、というだけではなく将来失明をきたすような緑内障や網膜剥離、高度近視に伴う黄斑変性症のリスクが上がるからなのです。

では、レーシックをしていれば安心?

いえいえ、レーシックは角膜の屈折力を変えるだけなので関係ありません。

日本ではそもそも近視は病気ではないという風潮が強いのですが、子どもを取り巻く環境を考えると、さらに詳しい疫学調査から国家戦略としてすすめて欲しいと思います。

では次回は近視進行に関する代表的な研究、結果について書きたいと思います。